更新日 2016.5.23
≪対物レンズ部≫
「対物レンズ部」ですが、「乙号」のものは木製ですが、「甲号」のものは、対物レンズ枠と鏡筒枠が一体となった鉄の鋳物でできていて、重さは547gです。
↑対物レンズ枠兼鏡筒枠、対物レンズ、対物レンズ押え
従って、対物レンズ部は、対物レンズ枠兼鏡筒枠と対物レンズ、対物レンズ押えの3つがあるだけです。
↑1インチ望遠鏡「甲号」の対物レンズ部
「甲号」の対物レンズは、鏡径が28mmで、焦点距離が800mmの単レンズです。一見平凸レンズのようですが、微かなアールがついているかも知れません。外装は、黒の半艶塗装です。
↑対物レンズ部の各部の名称
対物レンズについて、五藤齊三氏の『天文夜話』に、「最初は日本光学に頼んで三十ミリの単レンズを有効径二十五ミリ(一インチ)FL八百にして使った。」とあります。このまま解釈すると、鏡径が30mmのレンズを有効径25mm、焦点距離800mmにして使用したとなりますが、測定したところ、「甲号」の対物レンズの鏡径は28mmでした。
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